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裁判傍聴! [教育表彰制度]

傍聴録byマッツー MLから転載しました
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 梅雨なのか、梅雨明けなのかけじめなく蒸し暑い8月1日の昼下がり、
贅を尽くした石造りからか、重々しい建物の京都地裁203号法廷のドアが開く。
無機質な裁判長が唯一存在感を示す開廷の際の起立指導。学校の入学式・
卒業式に似た感覚が脳裏を駆け巡る。

 証人に立った赤峰さんは、背伸びしない普段着のまま淡々と証言していく。

<いきなりの優良教師?表彰。なぜ、自分が『優秀』なのか実感もない同僚。
『優良教師』の物差しすら誰も示さない不気味な怪しい空気。使うに使えない
2万円の図書券。飾って奮起するなんて気になるはずもない図書券とそのた
めの図書券立て。同僚達と『次はあんたかもね』と冗談で笑い飛ばすしかない
この表彰。校長に泣きつかれ、断りきれなくて、貰ってしまったこの図書券。
貰ったからといって、なぜ自分が貰ったかもわからない。その怪しさを引きず
ったまま、毎年繰り返される表彰。不安ともどかしさを押し潰す式典での『国
旗に向かって君が代斉唱』の号令。出席は至上命令で、子育てなんて理由
にならない?・・・>

 証言は、この日始めて参加した人にさえ、『優良教師表彰』の不気味さと無駄、
表彰された教師たちの様子と市教委の野望を暴いていく。
 表彰もされていない彼女が、なぜ証人として法廷に立つのか。表彰された人は、
何かが怖くて証言できないのだ。人としての抵抗力さえ削ぎ落としていく教育現場。
定年まで勤めきる人のほうが珍しいとも囁かれている。

 弁護士が『この表彰に対する証人の意見は?」と発言を促すと、彼女の口から
いつものような話しっぷりで言葉が流れてくる。

「表彰は、学校というところには合いません。教師は、子ども達と向き合い、
子ども達と一緒に考え、活動しているのです。それが認められたのなら嬉しくもあり、
次にこうしようという励みにもなる。
 また、子供たちのために頑張っているのは、何も教師だけではありません。
朝食抜きで登校してくる子どものためにパンを焼いて待っている用務員さん。
子ども達の健康に配慮している保健師さん。少しでも美味しい給食をと頑張ってい
る調理員さん。
 でも、この表彰は、子ども達のいない場所で、教師以外を排除して、豪華な
ホテルなどの会場で重々しく行われています。これは私達教師の想いとは裏
腹のものです。
 今日の午前中も学校のプール当番に行きました。猛暑のなか、もうクタクタです。
一緒にいた同僚達と話しました。『子ども達がいるから頑張れるんやな~』と。」

 この天子のような言葉が、正面に座る無表情の裁判官に胸に響いただろうか。
教師たちの思いをぺしゃんこにしようとする教育長と市教委の連中に この話を
受け止めることが出来るだろうか。黒い法衣と黒いスーツ・・・

 被告・京都市教委の弁護士は、『これがあなたの見聞きした全てですか』と呟い
ただけで、一切の反論は出来ず退散。

 閉廷の声を待たず、会場には拍手の嵐が巻き起こったのは言うまでもない。
ゆるぎない言霊に胸熱く湧くアドレナインを覚えたのは僕一人ではないだろう。

 本日の傍聴者は、枚方 高槻、大阪などからも参加があり、
総勢20人を超え、終了後の意見交流会へほとんどそのまま移行しました。
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赤峰さん、皆さん、ご苦労様でした。

次回は、10月24日PM1:30~です 


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ワカナ

私は昨日初めて裁判の傍聴というものをしました。あんずさんとも昨日初めてお会いしました。
赤峰さんの証言、とてもよかったですね。とてもわかりやすくて、冷静に語られる言葉の一つ一つに情熱を感じました。赤峰さんのなさる授業に私も出席してみたいな、と思ってしまいました。
証言の中で、ほかの教員の方々、表彰された当人でさえこの表彰については戸惑っていらっしゃることがよくわかりました。にもかかわらず、こうして実際に声を挙げるのは京都市でたった一人・・・
子どもたちは、大人が思う以上に大人をよく見ています。間違っていると思いつつも、現状に甘んじている先生の語る言葉をどのように受け止めるのでしょうか・・・
心のノートでも、間違いは間違いと言う勇気を持つように書いてあったように思います。その授業を子どもたちはどのように受けていくのでしょうか?こんな矛盾を子どもたちに押し付けていくなんて・・・
ぜひこれからも赤峰さんを応援し、また間違っていることには間違っていると、声を挙げ続けたいと思います。その輪が広がることを願いつつ。
by ワカナ (2006-08-02 09:06) 

スナフ

ジュニア検定のことを知ったとき、
あまりにもあからさまやったから
笑っちゃいましたが

昨日の裁判、
こんなに実態は不気味なものかと、

豪華絢爛な場所で
なんだか催眠商法の
洗脳みたい、、、、

たとえ一人でも二人でも
変なものは変!と
『声』をあげていかなきゃいけないなと
改めて思った。
by スナフ (2006-08-02 09:42) 

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